科学禅(科学式静坐法)


人は病気に罹ったら、今の医学では癒らない。従って、病気に罹らぬ様にする事が最大要件である。

人が健康を保つのは、先天的たると後天的たるとを問わず、現実の仕事である。

人は病気や障害の有無にかかわらず幸福であらねばならない。

■科学禅(科学式静坐法)誕生の歴史

 

医師(科学者)であった岩淵大殿は、昭和九年(四十二歳頃)に病魔に侵され死の洗礼を亨けようとした時に『神明憑カミガカリ』となり、奇跡が現れ一夜にして病気が平愈するという不可思議な体験をした。彼は其の摩訶不思議な現象がどのようにして起こるのか科学的な調査を試み、遂に『人体三角原理』という原理を発見し、神明憑心理(神明憑現象)の起る仕組を世界で初めて科学的に解明することに成功した。そして其の原理を応用して完成させた静坐法がこの科学式静坐法(科学禅)である。その後、昭和十四年には『大殿心理学』の普及と進歩を目的とした『大殿心理学後援会』(後に大殿姿勢学会)が組織され、東京の青山穏田に於いて「大日本科学正坐身心改善協会」のもとに正坐道湯が開かれ、その教道錬成が行われた。

 

 

■科学禅(科学式静坐法)

 

此の科学禅(科学式静坐法)により、脳脊髄神経中の第十対迷走神経を分離発達せしむれば、何人も一芸一能に達し得られ、能才となり、虚弱体を健康体に為すが如きは容易である。 また此の科学禅(科学式静坐法)の奥義を極め、実地応用して行くと『私語能心理者』となり、何人もこの境地に入ると能才となり、誰でも一芸一能に達し得られ、虚弱体の者は容易に健康体となる。

 

此の法は、数学的実証と哲学的理論とに依って説明し得られ、実地応用の結果、

 

●頭脳が頗る明晰となり、思考能力が増して天才的智識が湧発され、偉大なる発明、発見の原動力涵養となる。

●学生は成績著しく向上し、秀才となる。

●政治家、外交官、司法官、教育家、実業家など凡ゆる階級の人々は、此の修養法によって円満なる人格と智徳を具備することが出来、其の妙諦を悟得して、持場々々の職能を高められる。

●芸術家は著しく芸能に秀でゝ傑作を生む。

●肉体的には絶対の健康を得て、男女ともに若返って長寿を保てる。

●病者は病気を克服して以前に優る健康体となり、特に、精神障害、学習障害、言語障害、脳卒中、肺患等の者、障害者などは容易に治療することができる。

 

などの結果を得ることが期待できる。

 

此の科学禅は一般的に行われている正座法と異なり坐すのが目的でなく、健康の為によい自然運動〔反射運動〕が出るように望むものである。この反射運動は早やい人はすぐに、遅い人でも三十回位やると起って来て、自分の疲れている処を癒してくれたり、病気を治癒してくれるものである。病院で癒せなかった卆中症、高血圧、神経痛、結核、その他、不治の慢性病が之でずんずん改善して行く。此科学禅に必要な時間は五十分位であるが、自身が疲労していたり病気でいると、五十分の科学禅が堪えられない。かえって疲労してしまう、だから施術法で骨組や内臓の位置を癒してから始めなければいけない。それでも辛抱できない人は、五分→十分→二十五分→五十分→二時間と行けばよい。